現金管理の重要性

2013年09月05日

 現金には、当然のごとく色も形もありません。そのため、現金取引は不正取引の温床になりやすいのです。
 現金の管理が出来ていない会社は管理がずさんな会社と思われても仕方がない面があります。
 また、税務調査においても現金管理が出来ていないということは粉飾が行われている可能性があるという心証を招くおそれがあります。

 そこで、まずは現金管理をしっかりする必要が出てきます。
 まずは、個人事業主においては、事業のお金と個人の現金とが区別がなされていないケースが見受けられます。これを防ぐためには、事業のお金を個人のお金と区別するために、手提げ金庫に事業のお金を保管するようにすべきです。そして、個人事業主の場合は、事業のお金を支払った場合は事業用のお金から支払ったことにし、一定期間、例えば一週間程度で、事業用の現金の精算を行い、事業用現金が足らない場合は事業用の預金から小口現金として引出を行うようにすべきです。
 また、同族会社においても、会社のお金と代表者の現金とが区別がなされていないケースが見受けられます。これを防ぐためにも、会社のお金は個人事業主と同様手提げ金庫に会社のお金として保管するようにすべきです。そして、役員が立替払いした場合は、一定期間の後で会社の現金で精算するようにすべきです。
 現金取引の多いところにおいては、売上については一日の売上金については夜間金庫もしくは翌日に預金に預けるべきです。この場合、売り上げの管理のための通帳をつくっておき、一定期間において経費用の通帳に振り替える処理を行うべきです。
 経費の支払いについては、売上金の現金とは区別し、小口現金として、定期的に一定金額を預金から引き出して経費用の現金として管理すべきです。
 小口現金については、毎日現金実査を行い、現金の残高を確認すべきです。

 現金出納帳は、毎日つけることが望ましいですが、経費区分が未定の場合などについては一旦仮払処理を行い後日科目振替の処理を行うことも毎日つけることの方法だと考えます。
 そして、現金実査の金額と現金出納帳の金額の一致しているかどうかを毎日欠かさずに確認すべきです。

 売上金については、夜間金庫なり翌月銀行に預けるべきと書きましたが、そもそも、売上金から経費や仕入の支払は行うべきではありません。経費の支払いや仕入の支払はあくまで小口現金で行うべきです。

 繰り返しになりますが、現金は色も形もないため、現金取引は不正取引の温床になりやすいがため、しっかりと管理を行うことが必要となってくるのです。


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Posted by 山本公認会計士・税理士事務所 at 09:10 │Comments( 0 ) 会計 経営
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