正規の簿記の原則について

2014年06月13日

企業会計原則においては、一般原則 二.正規の簿記の原則を定めている。

二.企業会計は、すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならない。これを正規の簿記の原則という。

正規の簿記の原則は、正確な会計帳簿を実現するために、次の3つの要件を満たすことを求めている。
・企業の経済活動のすべてが網羅的に記録されていること(網羅性)
・会計記録が検証可能な証拠資料に基づいていること(立証性)
・すべての会計記録が継続的・組織的に行われていること(秩序性)

この要件を満たすのは複式簿記によるしかなく、単式簿記でこの要件を満たすことは難しいともいえます。

「中小会計要領」においては、総論 8.記帳の重要性において 正規の簿記の原則がふれられています。

 8.記帳の重要性
 本要領の利用にあたっては、適切な記帳が前提とされている。経営者が自社の経営状況を適切に把握するために記帳が重要である。記帳は、すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って行い、適時に、整然かつ明瞭に、正確かつ網羅的に会計帳簿を作成しなければならない。

正規の簿記の原則が、網羅性、立証性、秩序性を備えた原則としたものとすれば、「中小会計要領」の8.記帳の重要性の「記帳は、すべての取引につき、適時に、整然かつ明瞭に、正確かつ網羅的に会計帳簿を作成しなければならない」という文言が正規の簿記の原則を表していることになると思います。
適時性についても、秩序性の中に含まれているともいえますし、適時に検証可能な証拠資料に基づいて記帳しなければ、立証可能性はより難しいともいえますから、正規の簿記の原則が秩序性及び立証性を求めている限り、適時性は含まれているといえると思います。
しかしながら、中小企業においては、実際には年一の記帳とか、まとめての記帳が数多く見られるため、適時性を強調しているのでしょう。

なお、企業会計原則 一般原則 二.については、正確な会計帳簿の作成を要請すると同時に、政策な財務諸表の作成をも要請する原則ともいえます。

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Posted by 山本公認会計士・税理士事務所 at 08:36 │Comments( 0 ) 会計
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