変動損益計算書について

2017年07月18日

今日は「変動損益計算書」について述べたいと思います。

利益は当然、以下の式で表されます。

利益=売上-費用

売上を分析すると

売上=販売数量×販売単価であらわされます。

また、費用を分析すると
費用=変動費(=変動費+準変動費)+固定費(=固定費+準固定費)という式になります。

利益=売上-変動費-固定費であらわされる損益計算書を変動損益計算書といいます。

ここで、変動費とは売上高に応じて変動する費用で、固定費とは売上高の増減とは無関係の費用のことをいいます。

そのため、変動費=変動比率×販売数量で表されます。

最初の利益の数式を変動損益計算書の数式に変えると

利益=売上高-変動費-固定費
   =(販売数量-変動比率)×販売数量-固定費

以上の数式になります。

すなわち、この数式は固定費を上回る利益をあげることにより、正味の利益が回収できるということをあらわしています。

変動費には売上原価だけではなく、販売費も含まれることになるため、一般の損益計算書に基づいてそのまま変動損益計算書の考え方を当てはめるのは危険です。
売上原価を差し引いたという意味での粗利益が出ているから大丈夫だという事ではなく、販売費も含めた限界利益が出ているかどうかを考えるのかが大事になってきます。

限界利益とは売上高から変動費を差し引いた金額のことをいいます。

限界利益=売上高-変動費

なお、変動損益計算書はあくまで内部管理用の損益計算書であり、外部公表表の損益計算書ではありません。

ただし、変動損益計算書の考え方は、利益計画を立てる上で目標利益に対する対策を考える上でも基礎になる考え方ですので、是非とも理解して頂きたいと思います。

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Posted by 山本公認会計士・税理士事務所 at 18:27 │Comments( 0 ) 会計
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